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中学生の不登校、高校進学に向けて今からできる準備|時期別にやることを整理

中学校に行きづらい状態が続いていると、高校進学の話をいつ、どこから始めればよいのか分からなくなります。願書の時期になって慌てて調べ始めると、出席扱いの申請も、調査書の確認も、資料請求も同時に押し寄せます。この記事では、文部科学省の調査データで現在地を確認したうえで、中学3年生の学年を4つの時期に分けて、それぞれ何を進めておくと選択肢が減らないかを整理します。

この記事で分かること

  • 中学校の不登校は216,266人。通信制高校の令和7年度入学者77,998人のうち44,461人(57%)が中3で不登校だった
  • 出席扱いの申請は担任ではなく校長が判断するため、相談は早いほど時間の余裕ができる
  • 調査書の欠席日数の扱いは都道府県で違う。志望先が決まる前に確認しておく
  • 通信制の出願は年に複数回ある学校が多く、公立は年1回が基本
  • 本人が動けない時期でも、保護者だけで進められる作業がある

この記事の前提

使ったのは文部科学省の「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」と「令和7年度通信制高等学校実態調査」です。進学準備の進め方そのものを調べた公的な統計はありませんので、この記事では制度上決まっていること(出席扱いの要件、出願の時期、調査書の扱い)と、調査で分かっている実態だけを材料にして、時期ごとの作業を並べます。学校や自治体によって運用が違う部分は、その旨を書いています。

まず数字で現在地を確認する

項目 人数・割合
小・中学校の不登校児童生徒数(令和6年度) 353,970人(小学校137,704人・中学校216,266人)
うち欠席日数90日以上 191,958人(54.2%)
学校内外の機関等で専門的な相談・指導等を受けた割合 61.7%
自宅でのICT等を活用した学習を出席扱いとした児童生徒 13,261人(小4,828人・中8,433人)
学校外の機関等での相談・指導を出席扱いとした児童生徒 42,978人
通信制高校の令和7年度入学者のうち中3で不登校だった生徒 44,461人/77,998人(57.0%)

出典 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」、同「令和7年度通信制高等学校実態調査に関する調査結果について」(調査時点 令和7年5月1日)。確認日2026年9月20日。

通信制高校に入学した人の57%が中学3年生のときに不登校だった、という数字は押さえておく価値があります。進学先として選ばれている実績があり、受け入れる側もそれを前提に体制を組んでいるということです。一方で、相談・指導を受けている割合は61.7%にとどまり、4割近くはどこにもつながっていません。準備の第一歩は、どこかに相談先を作るところからになります。

時期別にやること

先に全体像です。学校や自治体によって時期は前後しますが、発生する作業の順番はおおむね共通しています。

時期 本人・保護者がやること 期限の性質
中1〜中2、中3の1学期 出席扱いの相談、相談先づくり、学習記録を残し始める 期限なし。早いほど時間の余裕ができる
中3の1学期〜夏休み 調査書の扱いの確認、選択肢の整理、説明会の日程確保、資料請求 説明会は夏に集中する
中3の2学期 志望先を2〜3校に絞る、個別相談、出願時期の確認、中学校への進路希望の共有 私立通信制の早い出願期間は9〜10月に始まる
中3の3学期 出願書類の準備、調査書の発行依頼、入学後のコース決定、併願の可否確認 締切が固定。逆算が必要

時期は一般的な流れをもとに当サイトで整理。出願時期は学校・都道府県によって異なるため、志望先の募集要項で確認してください。

中学1〜2年生のうち、または今が3年生の1学期

  • 出席扱いの制度を担任に相談する 自宅での学習を出席扱いにできる制度があります。判断するのは在籍校の校長なので、担任止まりでは話が進みません。要件は7つあり、通える教育支援センター等があるかどうかも条件に含まれます。詳細は不登校の出席扱いとはにまとめました
  • 相談先を1つ作る スクールカウンセラー、市区町村の教育相談窓口、教育支援センター(旧・適応指導教室)のいずれかです。多くの自治体で無償または低額です
  • 学習の記録を残し始める 出席扱いの申請でも、後の進路相談でも、何をどれだけ進めたかの記録が判断材料になります

自宅でのICT等を活用した学習を出席扱いにする場合、文部科学省の通知(令和元年10月25日「不登校児童生徒への支援の在り方について」)は7つの要件を示しています。要点は、保護者と学校の連携、ICT等を活用した学習であること、訪問等による対面指導が定期的・継続的に行われること、理解の程度を踏まえた計画的な学習プログラムであること、校長が報告や連絡会を通じて状況を把握していること、学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられないような場合に行う学習であること、学習の内容が教育課程に照らして適切と判断されること、の7点です。

見落とされやすいのが最後から2つ目です。通える教育支援センターやフリースクールがあるなら、まずそちらの利用を検討する順序になっています。教材やオンラインサービスの契約はそのあとです。

出席扱いの申請は、サービスの契約を先に済ませてから学校に相談すると「要件を満たさない」と言われて費用だけかかることがあります。順番は「担任に相談→管理職につないでもらう→通える施設の有無を確認→教材やサービスを決める」です。

中学3年生の1学期〜夏休み

  • 調査書の扱いを確認する 高校入試で調査書の欠席日数がどう扱われるかは都道府県によって違います。欠席日数を点数化しない、自己申告書で事情を説明できる、といった運用がある地域もあります。47都道府県の実施状況は不登校でも高校受験はできるかで確認できます
  • 選択肢を全部並べる 全日制、定時制、通信制、高卒認定、それぞれ仕組みが違います。不登校の子が高校に進むときの選択肢で5つに整理しています
  • 学校説明会・オープンスクールの日程を押さえる 夏に集中します。本人が行けない場合でも保護者のみの参加を受け付けている学校があります
  • 資料請求をまとめて行う 比較は資料が揃ってからのほうが早く進みます。何を見るかは通信制高校の資料請求はどこからにまとめました

中学3年生の2学期

  • 志望先を2〜3校に絞る 公立と私立、通学ありとなし、というように性質の違う候補を残しておくと、体調や状況が変わったときに動けます
  • 個別相談に行く(または保護者だけで行く) 説明会と違い、個別の事情を具体的に相談できます。支援体制について聞くべき項目は特別な支援が必要な子の通信制高校選びに一覧があります
  • 出願時期を確認する 公立の通信制は年1回の一斉募集が基本で、都道府県によっては学力検査があります。私立の広域通信制は年に複数回の出願期間を設けている学校が多くなっています。公立と私立の違いは公立と私立の通信制高校はどっちがいいかで比較しました
  • 中学校に進路希望を伝える 調査書の作成や出願手続きで中学校を通す必要があるため、担任と進路担当に早めに共有しておきます

中学3年生の3学期

  • 出願書類を揃える 調査書は中学校が作成します。依頼から発行まで日数がかかるため、締切から逆算して依頼します
  • 入学後の通学・学習のペースを決めておく 通信制はコースによって登校日数が大きく違います。入学してから変更できるかどうかも学校によります
  • 併願の可否を確認する 公立と私立、全日制と通信制の併願ができるかは自治体・学校によって扱いが違います

本人が動けない時期にできること

学校説明会に行く、個別相談で自分の状況を説明する、といった作業は本人の負担が大きいものです。文部科学省の調査でも、不登校生徒について学校が把握した事実として「生活リズムの不調」「学校生活に対してやる気が出ない」「不安・抑うつ」が上位に挙がっています(高等学校の集計。小中学校とは調査項目が異なります)。

本人が動けない時期には、保護者だけで進められる次の作業を先に済ませておくと、動けるようになったときに選択肢が残ります。

保護者だけで進められること

  • 資料請求(本人の同席は不要)
  • 学校説明会・個別相談への保護者のみの参加(受け付けている学校が多い)
  • 調査書の扱いを中学校と教育委員会に確認する
  • 出席扱いの相談を校長に上げてもらう
  • 出願時期・必要書類の一覧を作る
  • 通学経路と所要時間の確認(見学は本人が動けるときに)

決定そのものを急がせないことと、手続きの期限を逃さないことは両立できます。期限管理は保護者が担い、比較と決定は本人が動けるときに回す、という分け方が現実的です。

やりがちな失敗

  • 出席扱いの相談を担任だけで止めてしまう 判断するのは校長です。担任に相談したあと、管理職につないでもらうところまでが1セットです
  • 教材やサービスの契約を先にしてしまう 要件を満たさず出席扱いにならないことがあります。学校への相談が先です
  • 通信制を「入りやすい」前提で1校だけ見る 公立の通信制には学力検査を実施する都道府県があり、私立も学校によって選抜方法が違います
  • 調査書の確認を後回しにする 欠席日数の扱いは都道府県で違います。志望先を絞る前に知っておくと候補の作り方が変わります
  • 高卒認定と高校卒業を混同する 高卒認定は「高校卒業と同等以上の学力がある」という認定で、最終学歴は高校卒業になりません。違いは高卒認定試験とはで整理しています

よくある質問

中学校を欠席していても高校に進学できますか

できます。通信制高校の令和7年度入学者77,998人のうち44,461人(57.0%)は中学3年生のときに不登校だったと学校が回答しています。ただし入試の選抜方法や調査書の扱いは学校・都道府県で違うため、志望先ごとの確認が必要です。

準備はいつから始めればよいですか

出席扱いの相談と相談先づくりは早いほど選択肢が残ります。制度上の手続き(調査書の確認、説明会、出願)は中学3年生の1学期から3学期にかけて順に発生します。時期ごとの作業はこの記事の「時期別にやること」に並べました。

出席扱いになると高校受験で有利になりますか

有利になるかどうかを示した公的な資料は確認できませんでした。出席扱いは指導要録上の記録に関する制度で、入試での評価方法は都道府県・学校が定めています。調査書の欠席日数の扱いとあわせて、志望先の実施要綱で確認してください。

本人が学校説明会に行けません

保護者のみの参加を受け付けている学校が多くあります。個別相談やオンライン説明会を用意している学校もあるため、申し込み時に確認してください。資料請求は本人の同席なしで進められます。

中学校に進路の相談をしづらいのですが

調査書の作成と出願手続きで中学校を通す必要があるため、どこかの時点で連絡は必要になります。話しづらい場合は、市区町村の教育相談窓口や教育支援センターに先に相談し、学校とのやりとりの進め方を含めて相談する方法があります。令和6年度の調査では、学校内外の機関等で専門的な相談・指導等を受けた児童生徒は61.7%でした。

通信制高校の出願はいつですか

公立は年1回の一斉募集が基本で、時期は都道府県によって異なります。私立の広域通信制は年に複数回の出願期間を設けている学校が多く、転入・編入を随時受け付けている学校もあります。志望校の募集要項で確認してください。

全日制を受けながら通信制も出願できますか

併願の可否は自治体と学校によって扱いが異なります。公立高校の入学者選抜では、他の選抜での合格者の応募を認めないといった規定が実施要綱に定められている場合があります。志望先それぞれの実施要綱で確認してください。

通信制のほかに選択肢はありますか

定時制高校、通信制とサポート校の併用、高卒認定試験、全日制への進学があります。定時制と通信制の違いは通信制高校と定時制高校はどっちが向いているかで、生徒の背景や卒業後の進路を含めて比較しています。

小学生の段階でできることはありますか

家庭学習の進め方と出席扱いの制度は小学生にも当てはまります。選択肢の整理は小学生の不登校、家庭学習はどうするかにまとめています。

まとめ

この記事の要点

  • 通信制高校の令和7年度入学者の57.0%が中3で不登校。進学先として実績がある
  • 出席扱いの判断は校長。担任への相談で止めず、管理職につないでもらうところまでを1セットにする
  • 調査書の欠席日数の扱いは都道府県で違う。志望先を絞る前に確認する
  • 公立の通信制は年1回の募集が基本、私立は年に複数回。出願時期の違いが選択肢の幅に直結する
  • 資料請求・保護者のみの説明会参加・書類の期限管理は、本人が動けない時期でも進められる

準備の中身は、突きつめると「期限のあるもの」と「本人の状態に合わせるもの」を分けて、前者だけ先に片づけておくことに尽きます。期限を逃さなければ、決めるのは動けるようになってからで間に合います。

出典一覧
文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(2025年10月29日公表)
文部科学省「令和7年度通信制高等学校実態調査に関する調査結果について」(2026年4月21日公表、調査時点 令和7年5月1日)
いずれも2026年9月20日に確認。

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