不登校の話題は中学生と高校進学に集まりがちです。ただ、文部科学省の令和6年度の調査では、小学校の不登校児童数は137,704人でした。前年度から5.6パーセント増えています。小学生の家庭でも、学習をどうするかという判断は同じように迫られます。
この記事では、小学生の段階で選べる学習の形を整理します。中学生以降と条件が違うところ、小学生だからこそ先に決めておくとよいことを中心に書きました。
この記事の要点
- 出席扱いの制度は小学生も対象。ただし自宅学習で認められた児童生徒は令和6年度で4,828人と多くはない
- 選択肢は「教材で自分で進める」「オンラインで人と学ぶ」「通える場所を作る」の3つに分かれる
- 小学生は学年をまたいだ学び直しがしやすい。無学年式の教材が向く場面が多い
- 中学入学のタイミングで環境が変わるので、そこまでの見通しを持って選ぶ
小学生の不登校は珍しいことではない
文部科学省の「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、小学校の不登校児童数は137,704人、中学校は216,266人で、合計353,970人でした。小学校は前年度から5.6パーセント増えています(前年度の増加率は24.0パーセントだったので、増え方自体は鈍化しています)。
同じ調査では、学校内外の機関等で専門的な相談・指導等を受けていない児童生徒が約13万6千人とされています。相談先につながらないまま家庭で抱えている割合が小さくない、というのがこの数字の意味です。
出席扱いの制度は小学生も使える
自宅などでの学習を指導要録上の出席として扱う制度は、義務教育段階が対象です。つまり小学生も含まれます。実際に令和6年度に自宅でのICT等を活用した学習で出席扱いとなった児童生徒は13,261人で、うち小学校は4,828人でした。
ただし、この数字は小学校の不登校児童数137,704人に対して3.5パーセントほどです。制度はあるが、まだ多数派の使い方ではありません。学校側の運用に慣れの差があることを前提に、担任と管理職へ早めに相談するところから始めてください。要件と申請の順番は不登校の出席扱いとは?文部科学省が示す7つの要件と申請の進め方にまとめています。
要件のひとつに「学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けられないような場合に行う学習活動であること」があります。つまり、通える教育支援センターがあるかどうかを先に確認する順番になります。教育支援センターは自治体が設置する公的な施設で、多くは無償または低額です。民間のフリースクールを検討する前に、市区町村の教育委員会の窓口で有無を聞いてみてください。
選択肢は3つに分かれる
| 形 | 得られるもの | 費用の目安 | 小学生を対象に含む例 |
|---|---|---|---|
| 教材で自分で進める | 学習の進度。人との接点は少ない | 月7,800円〜1万円台 | サブスタ(小1〜中3)、すらら(小・中・高)、算数に絞るなら |
| オンラインで人と学ぶ | 1対1の指導。時間帯を選べる | 週1回60分で月1万円台〜 | 家庭教師のグッド、家庭教師の銀河、GIPS |
| 通える場所を作る | 居場所と生活リズム。同年代との接点 | 月2万円台〜3万円台 | クラスジャパン小中学園(小1〜中3)、aini school(小1〜中3)、SOZOWスクール(小4〜中3) |
注意したいのは、対象年齢がサービスによって違うことです。SOZOWスクールは小学4年生からで、低学年は対象外です。学研WILL学園も小学6年生からになります。中学生向けとして紹介されているサービスをそのまま小学生に当てはめられるとは限らないので、対象学年は必ず確認してください。
小学生は学年をまたいだ学び直しがしやすい
中高生と比べて、小学生には有利な点があります。積み上げの量がまだ少ないことです。中学2年生で数学につまずいている場合、原因が小学5年生の割合や比にあることは珍しくありません。学年が上がるほど、戻る距離が長くなります。
小学生の段階で学び直すなら、戻る範囲は限られます。すららのような無学年式の教材は、この場面で力を発揮します。学年別の教材ではその学年の範囲しか扱えませんが、無学年式なら理解できるところまで戻って積み直せます。算数だけをじっくり戻したい場合は、RISU算数のように算数1教科に絞った無学年式のタブレット教材もあります。クーポンコード「vlc07a」を入力すると特典の対象になります(広告主の指定条件)。
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「学校の進度に追いつくこと」を目標にすると苦しくなります。どこでつまずいているかを特定して、そこから積み直すほうが結果的に早いことが多いものです。
中学入学までの見通しを持っておく
小学生の家庭で先に考えておきたいのが、中学入学のタイミングです。環境が変わることで登校できるようになる子もいますし、教科担任制や部活動といった変化が負担になる子もいます。
学習面では、小学校で積み残した内容が中学の内容に直結します。とくに算数と国語は、中学の数学と英語を含む全教科の土台になります。中学入学までに何をどこまで戻しておくかを決めておくと、進学後の負担が変わります。
制度の面でも変化があります。出席扱いの仕組みは小中どちらも同じですが、高校受験が視野に入ると調査書の扱いが関わってきます。中学の欠席日数や評定が入試でどう扱われるかは都道府県ごとに違うので、早めに把握しておくと選択肢が残ります。詳しくは不登校でも高校受験はできる?調査書と欠席日数の扱いを47都道府県の実施状況から確認にまとめました。
選ぶときの順番
- 通える公的な場所があるか確認する。教育支援センターの有無を教育委員会に聞く
- 出席扱いを目指すかを決める。目指すなら担任と管理職に相談し、必要な記録の形式を確認する
- 今いちばん必要なものを1つ決める。学習の進度か、人との接点か、生活リズムか
- 対象学年と費用で候補を絞る。小学生を対象に含むか、低学年でも入れるかを確認する
- 体験してから決める。子どもの反応を見てから継続を判断する
3つ目が大事です。全部を一度に満たそうとすると、費用も負担も膨らみます。学習の遅れが気になるなら教材から、家にいる時間が長すぎることが気になるなら通える場所から、というように優先順位をつけてください。
保護者が抱え込まないための窓口
小学生の場合、保護者が一人で判断する場面が中高生より多くなります。学校のスクールカウンセラー、市区町村の教育相談窓口、児童相談所などは無償で相談できます。民間のサービスでも、ティントルのように資格を持った本部スタッフが保護者の相談に対応すると明示しているところがあります。
相談先を1つに絞る必要はありません。学校に相談しつつ、自治体の窓口にも聞き、必要なら民間のサービスにも問い合わせる、という進め方で構いません。
よくある質問
小学生でも出席扱いの制度は使えますか
使えます。この制度は義務教育段階が対象なので小学生も含まれます。令和6年度に自宅でのICT等を活用した学習で出席扱いとなったのは全体で13,261人、うち小学校は4,828人でした。認めるのは在籍校の校長です。
まず何から始めればよいですか
通える公的な場所があるかの確認からです。市区町村の教育委員会に教育支援センターの有無を聞いてください。出席扱いの要件に「学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられないような場合」という項目があるため、順番として先に確認しておく必要があります。
教材と家庭教師のどちらがよいですか
必要なものが「学習の順番を決めてもらうこと」なら教材型、「その場で質問を解決すること」なら1対1の指導が向きます。費用は教材型のほうが抑えられます。両方を同時に始めるより、今いちばん必要なものを1つ決めてから追加するほうが負担が少なくて済みます。
低学年でも使えるサービスはありますか
対象学年はサービスによって違います。クラスジャパン小中学園とaini schoolは小学1年生から、サブスタも小学1年生からです。一方、SOZOWスクールは小学4年生から、学研WILL学園は小学6年生からで、低学年は対象外です。必ず対象学年を確認してください。
教科の学習ではなく英会話なら、ネイティブキャンプキッズは3歳以上が対象で、6歳〜8歳向けの教材も案内されています。出席扱いを判断するのは在籍校の校長なので、希望する場合は教科の学習との組み合わせを先に学校へ相談してください。
学校の勉強に追いつけるか心配です
進度に追いつくことを目標にすると苦しくなりがちです。どこでつまずいているかを特定して、そこから積み直すほうが結果的に早いことが多いものです。小学生は中高生より戻る距離が短いので、学年をまたげる無学年式の教材が向く場面があります。
中学に上がるときに何が変わりますか
環境が変わることで登校できるようになる子もいれば、教科担任制や部活動が負担になる子もいます。学習面では小学校の積み残しが中学の内容に直結します。また高校受験が視野に入ると、欠席日数や評定の扱いが都道府県ごとに違うため、早めに把握しておくと選択肢が残ります。
費用はどのくらいかかりますか
教材型なら月7,800円から1万円台、オンラインの1対1指導なら週1回60分で月1万円台から、通えるオンラインフリースクールなら月2万円台から3万円台が目安です。公的な教育支援センターは多くの自治体で無償または低額です。
保護者はどこに相談できますか
学校のスクールカウンセラー、市区町村の教育相談窓口、児童相談所などが無償で相談できます。民間のサービスでも保護者の相談に対応すると明示しているところがあります。相談先を1つに絞る必要はありません。
まとめ
小学生の不登校でも、学習の選択肢は「教材で自分で進める」「オンラインで人と学ぶ」「通える場所を作る」の3つに整理できます。全部を同時に始めようとせず、今いちばん必要なものを1つ決めるところから始めてください。
小学生ならではの条件が2つあります。ひとつは、学年をまたいだ学び直しの距離が短いこと。もうひとつは、中学入学という区切りが控えていることです。この2つを踏まえると、今の進度に追いつくことより、中学までに何を戻しておくかを決めるほうが実際的です。
制度の詳細は不登校の出席扱いとは?文部科学省が示す7つの要件と申請の進め方、フリースクールと公的機関の違いはフリースクールとは?通信制高校・サポート校・教育支援センターとの違いを比較、サービスの比較はオンライン家庭教師おすすめ比較をご覧ください。
出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」/同「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」別記2/各サービスの公式サイト。確認日2026年9月10日。